「フードデリバリーは、どのサービスを使えばお得なのか」と迷ったことがある人も多いのではないでしょうか。出前館・Uber Eats(ウーバーイーツ)・ロケットナウの3社は、送料や手数料を抑える施策や、店頭と同じ価格で注文できる取り組みを打ち出しています。
本記事では、各社の価格施策と公表されている経営状況を公式の発表で整理し、ユーザーとして知っておきたいポイントを紹介します。
結論:手数料の条件は3社で違う

国内のフードデリバリー市場規模は、2025年の見込みで8240億円(前年比2.0%増)で、コロナ禍前の2019年と比べてほぼ倍の規模に成長しています(出典:サカーナ・ジャパン/Circana Japan)。
この市場で、3社はそれぞれ手数料を抑える施策を打ち出しています。ただし条件は違い、送料・サービス料を誰でも0円と案内しているのはロケットナウです。Uber EatsはUber One会員向けの条件付き、出前館は「出前館がお届け」の店舗で送料無料(サービス料は別)です。
出前館:赤字拡大の中で「お店価格で出前館」を拡大

出前館は、店頭と同じ価格で注文できる「お店価格で出前館」の対象店舗が、2026年6月1日時点で約21,000店舗を突破したと発表しています(出典:株式会社出前館プレスリリース)。
また、2026年3月1日から「出前館がお届け」の店舗で送料無料を始めた一方、サービス料を導入しています(終了時期は未定。出前館のプレスリリース(2026年2月27日))。
財務状況は厳しさが増している
- 2025年9月〜2026年5月期の売上高は282億9000万円(前年同期比6.2%減)
- 同期間の営業損益は63億7000万円の赤字(前年同期30億7500万円の赤字から倍以上に悪化。出典:出前館 2026年8月期第3四半期決算短信)
- 2026年8月期の通期営業損益予想は、79億円の赤字へ下方修正(出典:出前館 業績予想の修正に関するお知らせ)
第3四半期累計では、前年同期より営業赤字が拡大しています。ここで挙げた出前館の数字は、2026年7月15日に開示された第3四半期決算と業績予想の修正にもとづいています。通期の確定値は、出前館のIR資料で確認してください。
サービス料の仕組みについては、当サイトの別記事で詳しく解説しています。
Uber Eats:3年連続黒字と「お店と同じ価格」

Uber Eatsは、2026年3月20日に全国約1万8000店を対象として「お店と同じ価格」を導入しました。全国のアクティブ加盟店舗数は12万以上、配達パートナーは10万人規模とされ、2023年から2025年にかけて3年連続で黒字を達成しています。2026年1月には過去最高売上を記録したと発表していますが、具体的な金額は非公開です(出典:Uber Eats Japan公式プレスリリース)。
手数料については、Uber One会員なら、対象レストランへの税込1,200円以上の注文で配達手数料とサービス料が0円になります(Uber Japanの発表(2026年2月))。会員でない場合や条件を満たさない注文では、手数料がかかります。「お店と同じ価格」の対象店舗の探し方は、当サイトの別記事で詳しく紹介しています。
ロケットナウ:誰でも送料・サービス料0円で全国へ

ロケットナウは2025年1月14日にサービスを始め、2026年8月7日時点で全国46都道府県・420都市に広がっています(CP One Japanのプレスリリース(2026年8月7日))。ロケットナウの公式サイトでは、送料・サービス料を「誰でも、サブスクいらず」で0円と案内しています(2026年10月13日時点)。
商品の価格については、「お店と同価格」のバッジが付いた店舗で店頭と同じ価格になると案内されています(2025年9月24日のプレスリリース)。
運営会社の親会社である韓国Coupangの2025年12月期通期売上高は345億3,400万ドルです(出典:Coupang, Inc. 決算発表)。ロケットナウの料金設定とこの業績の関係は、公表資料では示されていません。送料0円の案内の詳しい内容は、当サイトの別記事もあわせてご覧ください。
ユーザーとして知っておきたいこと

手数料の条件は、サービスごとに大きく違います。注文前に、対象店舗かどうかを確認してから注文しましょう。
また、価格競争の裏側には、各社の財務状況の違いがあります。出前館のように赤字が拡大している場合、将来的にサービス内容や料金体系が見直される可能性もゼロではありません。実際にmenu(メニュー)は、2026年9月30日でサービスを終了すると発表されていました。
特定の1社だけに依存せず、複数のサービスを使い分けられるようにしておくと安心です。

送料無料や同一価格は嬉しい取り組みだけど、その裏側では各社の経営状況が大きく違うんだ。お得さだけでなく、サービスの安定性という視点も持っておくと、いざという時に困りにくいと思うよ。
よくある質問
- Q「お店と同じ価格」はすべての店舗で使えますか?
- A
いいえ、各社とも対象店舗は限定されています。出前館は約21,000店舗(2026年6月1日時点)、Uber Eatsは約1万8000店(2026年3月20日の開始時点)が対象とされていますが、いずれも全店舗ではありません。注文前にアプリ上で対象店舗かどうかを確認しましょう。
- Q出前館の赤字が拡大しているのは心配な状況ですか?
- A
2025年9月〜2026年5月期の営業損益は63億7000万円の赤字で、前年同期から悪化しています(出典:出前館 2026年8月期第3四半期決算短信)。今後の経営方針やサービス内容が変更される可能性はありますが、本記事執筆時点でサービス終了等の発表はありません。最新情報は公式発表をご確認ください。
- Qロケットナウの送料0円は、誰でも対象ですか?
- A
ロケットナウの公式サイトでは、送料・サービス料0円を「誰でも、サブスクいらず」と案内しています(2026年10月13日時点)。ただし、今後も同じ料金体系が続くとは限らないため、最新情報は公式サイトで確認してください。
まとめ
出前館・Uber Eats・ロケットナウの3社は、いずれも店頭と同じ価格で注文できる取り組みを進めていますが、手数料の条件は違います。誰でも送料・サービス料0円はロケットナウ、Uber EatsはUber One会員の条件付き、出前館は「出前館がお届け」の店舗で送料無料(サービス料は別)です。経営状況も、出前館の赤字拡大、Uber Eatsの3年連続黒字と、各社で違います。
お得な価格だけに注目するのではなく、各社の対象店舗や経営状況も踏まえたうえで、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。





